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ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作品2作目。
「息子のまなざし」を見る。
- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2006/10/27
- メディア: DVD
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緊張感がすごい。こんなにドラマチックじゃない映画は初めてかも。
そして、物語で明示される情報がごくわずかなのに、すごく雄弁な映像だ。
BGMも一切ないし、自然光だけでライティングもないし、ナレーションもない。
役者たちの息遣いとか、表情の機微でこれだけ語れるというのは映像の持つ面白さだろうな。てか、主人公のオリヴィエが腹筋するシーンの息遣いとかリアルで怖かった。
最近たけくまメモで大友克洋は「反・物語作家」だってのがあったけど、この作品もそういう要素があるように思う。いや、ドラマになりそうな題材ではあるけども、ドラマ性を極力排除した作りになってる。だからドキュメンタリーちっくに見えるんだろうな。
すっごい唐突に重要な台詞を言ったりするのもリアル。
それも決してカメラがよったりとかせずに、フレームの外にいる時にぼそっと拾う。
不器用そうな二人だから、もちろん腹を割って打ち解けることは無いだろう。
何も言わずに取ったラストシーンの行動が言い尽くしてる。
許せない、理解できない他者でも共に生きることは出来る。
というよりそれしか出来ない。