黒猫・白猫」が面白かったエミール・クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」を観る。

アンダーグラウンド [DVD]

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アンダーグラウンドという響きと、ユーゴの内戦を描いた作品とか言う前情報からアウトローの物語なのかなーと思ってたけど全然違った。くだらないギャグとかストーリーのキーになるのがサルとか黒猫・白猫で見たような軽さは本作でもあったんだけど、最後の方になるとちょっと幻想的な雰囲気で「くに」を語ることに対するメッセージを率直に打ち出した映画だった。
面白かったけど、さすがに長い(170分)。集中力が途切れてきてまたも途中で寝ちゃったよ。削れるエピソードは結構あると思うしもうちょっと物語としての体裁を整えて欲しかったかなぁ。あと、主役二人がすごい似てるのが困る。ヒゲの形がちょっと違うくらいで兄弟といわれてもおかしくないくらいだ。もっとチビ&ノッポとかマンガっぽくしちゃって良かったんじゃないかなー。
ストーリーも荒唐無稽なのであくまで史実は参考程度にという重さだけど、歴史を知ってるともっと意味が通じやすくなることは事実だな。まーユーゴ史を良く知る必要なんてあんまりないけど。
監督は痛みを語り継いでいかなければ国を語れないというような文言で締めるけど、この物語に生じたキャラたちの痛みって戦争によって引き裂かれたとか「国」の力が及んだというよりは個々人の嘘がばれるかばれないかっていうレベルだと思うんだけどな。あまりこれをそういう議論のネタには出来ない気がする。
まー総じて言えば黒猫・白猫の方がぶっ飛んでて意味もなくて面白かったな。

ちょっと名前がどっかで見たことあった気がして仲正昌樹の「お金に正しさはあるか」を読む。

お金に「正しさ」はあるのか (ちくま新書)

お金に「正しさ」はあるのか (ちくま新書)

まとめると、資本主義社会ではそれまでの神の教え(とその世俗権力)という絶対的メディアが流布していた価値が弱まって、代わりにそれまで批判されてきた金という一元的で数値化できて自己増殖性を持つ分かりやすいメディアがすごく普及したので、厳密にはその担保してる価値はあやしいけど、学問や芸術なんかの独自の価値があると思われるものも含めて全てのモノやサービスはその価値付けを逃れることは出来なくなってるし、逆に批判するにもその価値の上で行わちゃうるから、それによって社会の体制は支えられてるわけで、現実的に金は正しいと言わざるを得ないじゃん、という風に言えるだろうか。後はそれの事例を文学とか大学の独立行政法人化とかそういう切り口から広げていく。
結構ラフな語り口だけど、頭で整理されてることをスラスラ説明してる感じで読みやすかった。あまのじゃくで嫌味っぽい部分も素敵wなんか2ちゃんのスレみてると変なキャラとしても人気あるみたいだな。今切実に知りたいテーマではないけれども、名前は覚えておこう。

そーやって本やら映画を見る日々が続くだけだが、今日からまたマラソンを再開。5キロも走ってないだろうけど、習慣にしていきたいね。走って体を引き締めたいのは事実だけど、汗をかきたい、というのもリアルな目的だ。
気持ちよく走りたい。